ペンギンコロニーから10分程のビーチ沿いのレストランで昼食を取る。
やはり次々との団体客に中はてんてこ舞い。僕と弘嗣は早めに終えビーチを歩く。水着を着ているのは白人のカップルと家族連れの四人だけ。
広いビーチで中学生くらいの子供たちのが10人程ボールで遊んでいる。サッカーかと思いきやどうやらラグビーのようだ。少年たちは皆裸足で上半身裸だ。白人の少年が一人混ざっている。
外国でサッカーに興じる子供たちはよく見かけるがラグビーとは。
バスでガイドの言葉を思い出す。南アフリカがラグビーで優勝した時南アフリカは一つになりました。マンデラ大統領の時よりも。スポーツは強い!
喜望峰に向かう道は徐々に開け右手は海岸左手は山々。
右手の海岸に野生のダチョウが一羽左手の岩場に一羽アフリカだと思った。
バスは正面に小高い丘を見上げる広い駐車場で止まった。
有名な看板と一緒に写真を撮るだけのために。長蛇の列に並んだ看板には「Cape of Good Hope」僕と弘嗣をガイドさんが撮ってくれた。
バスは海岸沿いを離れ上へ上へと登っていく。いつの間にか右手は空だけになり左手も空だけになった。どうやら岬の先端に来たようだ。
駐車場でバスを降りると広い敷地の先に小高い丘その上には小さく灯台の頭が見える。左右は断崖絶壁に青い海と打ち寄せる白い波が息を吞む程の美しさだ。
小高い丘に登る狭い階段はジグザグに上へと向かっている。
フニクラ(ロープウェイ)もあるが灯台まで25分程の階段を弘嗣と登る。
僕は途中何度も海を眺め絶壁と波を見下ろして「来た!喜望峰に来た!」と感動していたので弘嗣に大分後れを取った。
頂上の灯台まで着くとこの先は南極かとまたまた感動!
小学生の頃の通知書の備考欄に「いつも夢を持っている」と書かれていたと母親に聞いたことがある。
そうだもうすぐ75歳になる。「これからも夢と希望を持って生きるんだ!」青春歌謡みたいな文句を 階段の上り下りでガクガクした足で誓う。