ケープペンギン(アフリカ大陸に生息する唯一のペンギンで絶滅危惧種に指定されている)の生息するボルダーズビーチに向かう高速道路は しっかり整備されている。街中はオランダや英国の植民地時代のコロニアル建築が点在している。
街中を過ぎると緑の少ない岩だらけの山また山をバスは登ったり下りたりだが 一度登りきると広大な岩山が幾重にも見え尊厳すら感じる。
日本で緑の連なる山々は何度も見てきたが この荒さも好きだ。
南アフリカの水不足が今だに解消されないのも納得か。
途中ネルソンマンデラが27年!!もの投獄の後半いたという刑務所と 歴史的スピーチを行った市庁舎も車窓から見た。
ボルダーズビーチでバスを降りペンギンの営巣地に向かう。
保護区に入ると土産物店とトイレ(トイレのチャンスは少ない)板張りの少し広い場所に出るとやはり板張りの道が続く。左右は低木なので周りは見えない。
少し歩くと道は手すりのある二手に分かれて二人通るのがやっとだ。
左側の道を行くと何と突然一匹のペンギンが岩と低木の間に現れた。
じっとこちらを見ている。何故ここに? さらにもう一匹。バスは山道を随分上ってきたのに。
さらに進むとやはり板張りの丸い広場に出る。突然海が広がり眼下のビーチには
ペンギンの群れだ。
やっと納得した。崖の上に手すりのある板張りの道を作り絶壁の先端に広くない見晴台 眼下には入り江に白い砂浜 そこには無数のペンギンがくつろいでいる。
寝ているもの、毛づくろい、打ち寄せる波によちよち歩きで入るもの。
もう一方の道の先にも見晴らし台があり入り江を囲んで左右にある。
道の左右には人工のプラスチックの巣が岩の間に幾つもあり灰色の毛をした子供も見える。岩と低木の間には自然の巣もある。
僕はいつまでも飽きなかった。
それにしてもオーストラリアもそうだがこの国の野生動物と人間の共存の配慮には感心した。それで観光としての金にもなる。
それにしても日本は登別のクマ牧場、だだっ広いコンクリートの穴に無数のクマ
見下げる観光客の投げる餌を立ち上がり哀願するように両手を合わせる。
キタキツネ牧場は放し飼いの人間慣れしたキタキツネが、観光客の餌を求めて寄ってくる。甘やかされて育った大型犬とも違うし豚でもない見知らぬ動物がそこにいる。
動物園の飼育係のドキュメンタリーをテレビで何度か見たことがある。そのご苦労には頭が下がる思いだ。その裏で劣悪な環境にいる動物達も少なくない。
ただ動物を見るのが大好きで飼う自信も飼う気も全くない僕の身勝手な思いだ。