五つ星ホテルのドアマンに呼んだもらったタクシーに乗る。
ビーチの名前だけ言ったらOKOKと ほかの条件もドアマンが言ってくれたのだろうか。運転手はモーリシャスで生まれたという60代と思われる黒人の太った男性で 鼻がデカい。手塚治虫の御茶ノ水博士のようだ。
街中は高速道路もあり渋滞も多く驚いたが 街中を抜けるとヤシの木や低木の間に屋根の低い家々が点在している。運転手が「シュガー」と言った。外を見たらいつの間にさとうきび畑だ。そう言えばキビ砂糖で造るラム酒はモーリシャスの名産品だと聞いた。
モンチョイシービーチの標識が見え始めた。
サンゴ礁と熱帯魚を想像する。南半球は今冬だが最高気温25度 最低気温19度だが今日は日差しも強くいい具合だ。
海が見える雑木林の手前の駐車場にタクシーは止まる。確認のため「YOU WAIT?
」OKOK。
陸からビーチは近いが左右に白い砂浜が長く伸びて海と空の広がりを一望できる。観光客らしき白人が数人見える。
青い海白い砂浜は浅い。プール用のゴーグルを付けて入ってみる。
白い砂を巻き上げていて何も見えない。
やっぱりダメか。僕はいつからか見た目は青い海白い砂浜は同じでもサンゴ礁があり熱帯魚がいるかいないかがわかるようになっていた。
ここは見た瞬間ダメだと思った。弘嗣も入ってみる。
「残念だけど帰るか?」「そうですね。」一緒に行ったモルジブのサンゴ礁と熱帯魚の群れを知っている弘嗣も諦めが早い。30分も経っていない。
申し分ないインド洋の貴婦人の景色を満喫してタクシーに戻った。

断捨離は60歳になった時70歳になった時に二回した。
物を色々処分し登山もスキーもスキューバダイビングも卒業。しかしシュノーケリングだけはと思っていたが今回初めて卒業が頭をよぎった。
この船旅の後半にタヒチがある。うまくいけばそこで卒業かな?

インド洋の貴婦人の海(モーリシャス)

インド洋の貴婦人の海(モーリシャス)