これを書いているのは帰国3日前の11月28日だ。
何度も言うように夏休みの宿題の日記の抜けている日を追い込みで埋めている。
明後日で夏休みは終わる。今日これを書き終えたら夏休みの日記は完璧で着地成功だ。

今日も自由行動で熊木さんと三人で先ずはセントラルパーク内にあるビートルズのジョンレノンの記念碑「ストロベリーフィールズ」に地下鉄で行く。

その前にセントラルパークでの謎の怖い思い出を書いておく。
初めてNYに来た何十年も前、以前書いたNYに着いてすぐの一人散歩でデカい黒人に「マネーマネー」と追われた次の日だ。
朝早く起きた僕は親父にセントラルパークにジョギングに行きたいと言って、心配する親父の言いつけ通りホテルの名刺と数ドルを持って、朝食の時間まで1時間で帰る約束をして出かけた。
因みに日本でも海外でもホテルから出かけるときは必ずそのホテルの名刺を持って行く。その習慣はその後すぐ迷子になる僕には何度も役に立った。
僕は早朝のパークを走り始めた。自転車やランナーと一緒にゆっくり気持ちよく走った。広い芝生や木立、小径、広い道もある。馬車も走っている。「馬車かぁ
」と感動しているうちに車も走っている。車?何故公園内に車? ここはどこ?いつの間にか公園を出てしまったのか? 広い新宿御苑をイメージしていた僕は急に怖くなった。立ちすくんでいる僕をランナーが追い越していく。ここはどこ?とは聞けない。高台に出て見回すと木立の向こうにビル群が見える。パニック状態の僕はとにかくビル群を目指す。この公園を出なければ!
何とか見慣れた普通の車道に出る。ホテルの方角もわからないままタクシーに名刺を見せ事なきを得た。
「ただいまー」「早かったですね」約束の時間の15分前だった。「どうでしたか?」「セントラルパークは広くて帰りはタクシーにした」「広いですよ」
あの時の謎の迷子の恐怖は今回初めて言う。

ジョンレノンの記念碑は道に円形のタイルが並べられて中心に記念モザイクの「IMAGINE」と書かれている。ビートルズに興味がない僕は公園内を散歩しながら道行く人、ジョギングの人、自転車、馬車、車のだだっ広い風景の中に泣きそうな顔をした若い僕を見て何だか愛おしくなった。
メトロポリタン美術館までは公園内を散歩しながら行った。

セントラルパーク

セントラルパーク

セントラルパーク

セントラルパーク

メトロポリタン美術館(The Met)は何回目かのNYの時に来ているが外観だけうっすら覚えているが何がどうあったか全く記憶にない。
弘嗣と熊木さんと玄関での2時間後の待ち合わせにして自由行動にした。
モネ マネ シャガール ルノアール ピカソありとあらゆる有名画家の絵に釘付けになり特にゴッホは東京での油絵教室でひまわりやカラスの風景や星空など僕の三部作を描いたばかりだったので、耳のある自画像をこれが本物かと見入った。
絵の写真を撮っている人が多かったが僕は写真を撮っている時間が惜しく、写真は部屋にある美術雑誌でこと足りると思った。
しかし二枚だけ撮った。一つはロダンの「考える人」これはあちこちでレプリカを見るがこれは本物だ。ジッと見ていると何だか訳もなく深いそう深い。
もう一つは誰の作品か英語で読めなかったが有名なのであろう男性の裸体の絵だ。男性の裸体は油絵教室で一度だけ描いた事がある。自由課題の時に裸体を描いた事がないのでルノアールの裸婦を模写してみようと思ったが、どうみても描けないことが分かった。その肌の色の細やかさと柔らかさだ。白だかピンクだかわからない柔らかい色と膨らみ。とてもそんな色は出せない。男性は筋肉で影を作ることが出来るのでまだ描けるかなと。
そんな事があったので椅子に片足をのせている男性の後ろ姿がきれいだなと思った。
まだ半分も見ていないのに約束の玄関集合の時間だ。
画集ではない本物は見飽きない。東京の絵画展にもよく行くがなお行くようにしようと思った。

メトロポリタン美術館

メトロポリタン美術館

考える人

考える人

若い頃の僕

若い頃の僕

ランチのレストランを探したがMetの前に連なるホットドッグの屋台がうまそうだったのでそれを屋外のベンチで食べた。
バスでブロードウェイとタイムズスクエアに向かう。
何十年も前だが一番ウロウロ歩いた場所なのに全く様変わりして思い出の一つも見つからなかった。
それから行った近くのニューヨーク近代美術館(MOMA)ここは親父の働いていた場所でもあったので一番出入りして楽しみにしていたが、やはり面影一つなかった。
45年は遠かった。展示品も現代美術が多く残念だった。
そう言えば香港の時にガイドが言っていた。何十年も前に香港に来たことがあるという人今回は初めての国と思ってください。それくらい違います。

夕食をするためにガイドブックに載っていたピースボートスタッフのエミリーさんお薦めのレストランに行くことにした。
ラテンアメリカとイタリアンテイストをミックスしたウルグアイ料理だという。
ブロードウェイから地下鉄で行ったがグーグルマップだけを頼りのレストランは中々見つからず、やっと見つけたが英語も話せない日本人三人が疲れ切ってエミリーお薦めのチーズエンパナーダを二人前頼み、メニューは読めないというよりロウソクの明かりで暗くて見えないのにさすが弘嗣、ワインがハッピーアワーで一杯20ドルが10ドルを見つけ頼んだ。
二人前の料理を三人で食べハッピーアワーのワインを一杯づつ。
店員が「ワンモア?」と来たが「ノーサンキュー」と笑顔で答えたが何故か店員は冷たかった。美味しかったが疲れていた。
地下鉄まで戻る途中ブルックリンの街並みは好きだった。
超高層ビルはなく道幅も狭く平屋建てが整然と並び商店は下町の風情だった。
地下鉄を乗り継いで夜8時に船に戻った。
31791歩歩いた。
次の日から高熱でダウン。(続きは書いてある)