本当は最初の寄港地は中国の深圳だったが一日遅れたので香港に変わった。
6:30に目が覚めるとすでに香港の港だった。
正確に言うと九龍の港で海を挟んで香港島は島だ。九龍は中国と陸つなぎだ。
テラスに出てまず驚いたのは超高層ビルが乱立していることだった。程なくして太鼓の音とシンバルのジャーンというデカい音。テラスから下を見ると赤い帽子赤い服赤いズボンの楽隊と二頭(?)の龍の踊り。香港の旗を持った旗手を含めて総勢8人の歓迎セレモニーだった。
船の大きさに対して小規模だなと思ったのと シンバルの音は客を全員起こすなと思った。
そうだ集合時間は8:15だ。急いで朝食を済ませ集合場所に。

下船して10台程のバスに乗り込んだ。僕達は7号車。ガイドは流暢な日本語を話すユーモアのある50代の素敵な女性だ。それとフットワークのいい元気な20代と思われる添乗員の日本人の男の子。
紹介の後直ぐに「皆さん左手に見えるのが香港で一番古く一番大きく一番有名なシェラトンホテルです。値段は当時は一番でしたが今は違います。」僕は走るバスから腰を浮かしていつまでも見送った。
そう言えば港があったなと思い出した。ホテルの玄関をしかと見た僕は あの入り口を何度も出入りした50年前の若い自分を想った。

そして親父を想った。